けあぷらの森

ファイル17 みんなが助け合うケアプラザ 新風でチャレンジ 横浜市今宿地域ケアプラザ所長(2017年4月〜) 石原直英さん

平成29年4月、横浜市今宿地域ケアプラザ所長に着任した石原直英(いしはらなおひで)さん(55歳)。

定年を待たずに25年間勤めた社会福祉法人を退職。
まだまだ頑張れる現役での転職である。

あえて大きな組織を辞し、小さな社会福祉法人「漆原清和会」が運営する横浜市今宿地域ケアプラザに職を移した理由は?

一度の人生

「今やるべきことを、今できる場所に体力、精神力、記憶力のあるうちに転職を決めた。一度の人生だから、しがみつく必要はない」と石原さん。

大きな組織では新しい何かをやりたくても「前例がない」と動かないことも多い。
「事件は現場ではなく会議室で起こっている」というセリフが、ストンと心に落ちる。

今やるべきことを提案し行動できるのは、小さい組織だからこそと思っている。
「チャレンジすべきことをできないというのは簡単だ。どうしたらできるかを考えるのが仕事!」
「前例がなければ作ればいい。人生をかけて働く」とうそぶく。

目指すのは、職員が働きやすく、利用する方々が「ここに来てよかった」と思え、みんなが幸せになる施設作りだ。

民間企業を経験

福祉畑一筋ではない。
大学卒業後、大手外食チェーンやユニフォーム会社など民間企業に勤務。

今でもよく覚えているのは、初めて社会人になったときの新人研修だ。
資本主義社会における企業の社員であることを一週間、徹底的にたたき込まれた。
あの研修があったから今があるのかもしれない。
「民間企業での経験は、福祉の仕事でとても役に立っている」と。

27歳のとき家族を事故で亡くしたのをきっかけに、お金のためではなく人のために働こうと気持ちが変わった。
前職に就職したのは平成4年、29歳のときだった。

利用者さんに誘われて

一緒に散歩へ

利用者に寄り添う

「おはようございます」
朝、送迎車が到着するとデイサービスのスタッフと一緒に利用者を車まで迎える。

手荷物をデイルームに運んだり、玄関で靴を履きかえるのを手伝いながら「今日も一日楽しんでいってください」と話しかけ、寄り添う。
「あなたに会いに来たのよ」と所長ファンも少なくない。

帰り際には「また、お待ちしています」と送迎車に手を振り見送る。
「一日のおもてなしの主役はデイサービスのスタッフ。所長にできるのは、ひと押しのサービス」と。

朝のお迎え

夕方のお見送り

おいたち

高校ワンダーフォーゲル部で登頂

昭和37年2月、東京に生まれ川崎で育つ。
3人兄弟の長男。父は教師だった。

小学校時代は、足が速くクラス対抗リレーなどで活躍。

高校ではワンダーフォーゲル部に所属し、奥秩父やアルプスも歩いた。

英米文学を専攻した大学時代、シェイクスピアやスタインベックについて学ぶ。
「どうしてこういう風に書いたのか?」に興味がある。

現在、妻と二人で泉区に住む。

旅行好き

旅行にはそのときどきのテーマがある。

例えば、「金子みすゞを訪ねて」山口県・下関。「手に入る本は全て読んだ松本清張をしのんで」福岡県・小倉。「大地の鼓動を感じる」鹿児島県・桜島などなど…。

桜島では、ボン、ボン、と大地がはじけ震える音に「生きていることを感じ、元気をもらえる」と。

30〜40代、1〜2月以外全ての季節に訪れたというほどの沖縄離島好き。
中でも西表島は特別好きだ。
透明な海でシュノーケリングを楽しみ、真っ黒に日焼けしていたこともあった。

沖縄の西表島で

桜島で

在りし日の熊本城

坂本龍馬・お龍新婚旅行湯治碑の前にて(霧島)

鉄道ファンで「乗り鉄」

長期休暇が取れなくなり、はまったのが鉄道の旅だ。

「北斗星」「カシオペア」「トワイライト」「サンライズ」など多くの寝台特急に乗った。
自称「乗り鉄」。

速くて安全、座り心地のよい新幹線ファンでもあり、新横浜駅から鹿児島中央駅まで乗車することもある。
職場で愛用するマグカップも新幹線のイラスト入りだ。

北斗星

JR九州「はやての風」

JR九州「指宿のたまて箱」

大井川鉄道SLと

もともとは車好き

「トレノ」や「VR4」「R32」など、運転免許を取得してから所有した車は多い。
今は「ランエボ」に乗る。

「最近はドライブだけでなくいろいろな乗り物に乗るようになったので、1年に千キロくらいしか乗らない。タクシーの方が安いかな」と笑う。

R32でドライブ

VR4でドライブ

トレノでドライブ

雑学

「どうしてそんなことをご存知?」と感じることが多い。

例えば、漫画「サザエさん」の結末について。
「へ〜っ、博学ですね」と感心すると「博学でなく、ただの雑学」と謙遜する。

旅にはクイズのドリルを持参し、車中、妻と正解の数を競う。それも楽しみ。
新聞、テレビ、雑誌などを情報源に「興味をもって一度見たり聞いたりしたことは忘れない」と現役の強みをみせる。

自ら修繕

自分でできる修繕は自ら動く。

階段下倉庫の水漏れをすっかり直した。

「原因を調べて取り除くだけ」と。

壁、床のひび割れ、蛇口など修理した個所も数多い。

音楽通

多目的ホールで開催した「ビートルズ特集」や「フォークソング特集」で選曲し、ナビゲーターを務めるほどの音楽通だ。

フォークソング特集では、『戦争を知らない子供たち』作詞・北山修、作曲・杉田二郎)から曲をスタートし、最後は『やさしさに包まれたなら』(作詞作曲・荒井由実)で余韻をもたせた。

北朝鮮のミサイルが問題になる中「今こそ平和が尊ばれるときはない」と始まり、「みなさんが幸せになるように」としめくくり、ラジオのディスクジョッキーのよう。

そんな音楽通だが、一番好きなのはイギリスのロックバンド『クイーン』だ。
「ディオもいいけどフレディマーキュリーは最高!」

所長曰く 「福祉の世界は競争のない時代もあった。今は介護保険がそれを変えていく。人に喜んでもらってこそサービス業。だからこそ今できるベストを考えなければいけない。サービスの質を良くするのも悪くするのも人次第」
「職員を大切にして、この地域に元気で住み続けることがどうしたらできるかを地域の人たちと一緒に考え、頼りになる施設にしていきたい」
今宿地域ケアプラザの新しい風に乞うご期待!

(平成29年12月記)